体 験
気功教室
第2日
気を感じる
気功をやらなければと構える必要はありません。ゆったりした気分のときに自然に呼吸が安定したり、体をゆらいだりさせればいいんですが、はじめは形をしっかりと身につけます。
上海の朝、公園に行きますと思い思いに練功している姿がみられます。イーアールサンスーとかけ声をかけているグループもあれば、100人以上の団体もあります。一人で黙々と続けている人もたくさんいます。
平和公園で毎朝行われている少林内勁一指禅の練功会をのぞいてみましょう。
7時前には三々五々木の下に集まって各自準備体操をしたりしています。時間になると白髪の劉茂林先生が現われます。
ひときわ背の高い体つきのよい指導者のかけ声とともに36回づつ5つの準備動作をします。まず肩を熊の動きのように左右交替にまわします。
足を前後に開いて両手を前後に交替に振ります。天秤棒をかつぐような形です。
腰に両手をあててへそを中心に腹部を回転させます。
足を前後に開いて両手を交互に猫が顔を洗うように動かします。
足を開いて立ち片手を胸に近づけ片手を左右にゆっくり振ります。
その後馬にまたがっているような感じの馬歩の姿勢になり、両手を前にささげて50分練功します。先生は前から気を送り始めます。
すると、みんなゆらゆらゆれたり、中には転げ回る人もでてきます。
地面をころがりながら泣き続ける人や、いきなり走り出す人などさまざまです。
すぐ隣では剣を使った武術を練習している人がいます。裏の林では木にもたれたり木に体をこすりつけて練功する姿が見られます。
公園をひとまわりすればいろいろなタイプの気功を見ることができます。公園を散歩しながら気にいったグループがあったら入会すればその日から練功できます。何年も通っている人も、1週間目の人も教えあって楽しく学べるのです。
太極挙も人気があって、動きが華麗なので目立ちます。きわだって人数の多いのは香功とかはやりの気功です。
*立ち方の復習です。肩幅に足を開き、足首をゆるめ、足の裏を床にぴたりつけます。体の力をぬいてバランスをとりましょう。腰から下は安定させ、上半身はさらに力をぬきます。
体重を足の裏にかけるようにしてから背骨を伸ばすようにします。
のばした背骨の上に頭がのっているようにしてみます。
このとき多くの人が背中がへこんで腹が出るような感じになりますが、気功では背骨はまっすぐで、腰を後ろにひいて、椅子に腰掛けるような感じになります。
ハンカチをまるめてまっすぐに立てるように、重力にさからわず、力をぬいて背骨をまっすぐに立てます。首は赤ちゃんが首がすわっていないという状態を思い出してください。ぐらぐらさせて、力は使わず、バランスで背骨の上に乗っている感覚です。呼吸は自然呼吸で、目は閉じても開いててもいいのですが、視線は正面に固定します。
息をすうとき背骨をできるだけ伸ばし、吐くときまっすぐにしたままゆるめます。
両手は垂らして、指先を床にさすような感覚です。
そのままの姿勢を保ちます。続いて両手を軽く後に投げ出すような感じに後にふります。自然に戻ってくる力で前にでます。これを繰り返します。
両腕が振り子のようにぶらぶらします。
200回数えます。
ゆっくりとまってきます。そのまま力はいれないで、
水から浮かんでくるように両手を左右からあげて頭の上にかかげ、手のひらを下にして体の前を下腹部までさげます。
息を吸いながら上げ、吐きながら下げるようにします。
三回繰り返したら
頭上で天井を押し上げるように両手でぺたぺたと交互に押さえます。
次第に両手を動かしながら下げてきます。
三回くりかえします。
三回目は下腹部でてのひらを向かいあわせます。
このとき足は肩幅に開き足首をゆるめて、足の裏を床にぴったりつけることを忘れないようにしてください。
背骨はまっすぐにして頭をあごをひいて背骨にのせるようにして力をぬきます。
肩と肘を垂らして両手は机の上にでもおいているように楽にします。
ボールも持つようにして両手を左右上下にゆっくりと動かします。両手でこねるようにしてみます。
左手を下にしててのひらを上向きに、右手の指先を左手の手のひらに近付けます。右手の指を時計まわりにゆっくり回して見てください。
もう一度両手を向かいあわせて左右上下に動かして下腹の前にもどります。
収功します。
収功動作をやってください。
両手の手のひらを上にして息を吸いながら顔の前にあげ、気を口から吸い込みます。手のひらを返して息を吐きながら両手を下腹部まで下げてきます。
これを三回くりかえします。両手をお腹にあてがってゆっくりとまわします。二一回。反対にもまわします。
両手をこすってあつくなったところで顔を上下にこすります。
もう一度こすって熱くなったら目にあてて目から息を吸い込むようにします。
呼吸と動作を連動させながら自然呼吸でおこないます。座りましょう。
あぐらをくんで片足を反対の足の上にのせます。いわゆるはんかふざです。
両手はひざのあたりに軽くおいて、肩の力を充分にぬきます。
息を吐きながらお腹を左に落とします。続けてお腹を後に下げます。はい息を吸いながら右に上がっていきます。
お腹に玉があってそれをころがしているように意識するといいようですね。頭はそのままでお腹だけがまわるようになればいいのですが。
そうなってくると、力はいれないのに自然に回ってくるように感じます。命門をひらく功法。
これから行なう方法は命門を開き腹筋と背筋を強化して調整することができます。
命門はへそとの丁度裏側の背中にあるつぼです。
上虚下実という言葉があります。上体の力がぬけて、下半身、特にへその下にある丹田と言われる場所に力があるとき体の調子は自然と整います。
この方法は命門を刺激し、上虚下実をたすけ丹田力をつけます。
床に仰向けにねましょう。
膝を折って足は肩幅に開き、両膝はつけます。両腕を前に伸ばして体を起こします。両腕で反動をつけてかまいません。
両手を重ねてお腹にあてます。完全に肩をリラックスしながら、ゆっくりと後に上体を倒していきます。背骨の一つ一つが腰から順にぽきぽきと折れ曲がっていくようにします。途中でスピードが変わらないようにします。このとき肩に力が入ってはいけません。
ゆっくりともどってきます。
キャタピラのように背骨が動くのがわかりますでしょうか。
背骨は積み木のように首に骨盤から5個の腰椎、12個の胸椎、7個の頚椎で成り立っています。腰椎の部分は以外に太いんです。この一つ一つの骨が順に曲がっていくようすを想像しながらやってみましょう。
背骨積み木のようにまっすぐたてます。息を吸って、吐きながらゆっくり後に腰椎、胸椎、頚椎と背骨下から上にぽきぽきと折れ曲がっていくのがわかりますか。
たおしたらしばらくほっとしましょう。
このほっとしたときに、天地のエネルギーが全身の皮膚から体に入ってきます。両手を前に出して起きます。このとき息を吐きながらだと力がはいりませんね。吸っているか、止めていないと起き上がれません。ためしてみてください。
呼吸と動作との関係が少しわかると思います。
気持ちよくできましたか。一生懸命しないで、のびのびとやってください。
これだけ覚えて帰ってやり続けても相当に効果があります。
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