源流
 少林内勁一指禅は意識功、硬気功、武術とは異なる、意守をしない動静相通した内勁功であって気功中の独特な功夫である。
 内勁とは、人体に潜在している力量のことで、人体活動のエネルギーである。
 武術では爆発力という表現が使われている。生命活動の基礎的な物質であり、抵抗力、免疫力、健康を維持する能力のみなもとである。
 練功によって、陰陽のバランスが改善され、経絡の気の流れがスムースになり、気血が調整され、内勁が蓄積される。
 一指とは、練功以後、内勁が指先から外気となって発放することから言われる。
 禅とは、仏教の宗派のことである。


 少林内勁一指禅の特徴


 人間は自然の規律に従って生活しないと、邪気に犯される。
 馬歩たんとうでは百会から天の気、足からは地の栄養を吸収して、病気を避け、健康を保つのが目的である。
自然に任せて、順序に沿って進む。
 人によって、体は異なり、内気の運行も異なっている。その人の内気の運行規律に従い、それを妨害しないで自然の運行に従って練功する。偏差を防止することにもなる。
体内の意念を使わず、意守もしない。
 自然状態に任せ、自己の体内の内気の運行規律に任せておく。練功中は、テレビを見たり、話しをしながらでもいいのである。つかれたら一休みして、お茶を飲んだりしてまた続ける。終わるときも、特に収功動作は必要ない。
 意守せず、気の動きを自然にして、自然に発展させる。こうすることで真気が練られ、内勁が増加して、始めは経絡から五臓六腑、さらに骨格、骨髄へと巡って行く。 この方法は偏差も起こらない。

練功要領

 姿勢の正確 鏡で、姿勢常に姿勢を正しながらたんとうを行う。
 放鬆の徹底 体の力を抜けるように、準備して行う。
       精神の緊張も解いて行う。
 恒心    毎日続けることが重要である。
 徐々に進む 練功時間は初めは回を重ねる毎に徐々に延長していく。
       姿勢の高さは初めは低く回を重ねる毎に徐々に高くしていく。
       たんとうのかたは楽なのからきついのへと進む。

馬歩とう


 方法
 足を肩幅に開いて、両足を平行にして立つ。足で地をつかむようにするが力はいれず緊張しているようで緊張していない状態。足先からの垂直線から膝の端が出ないようにして腰を落とす。重心はかかとに、足の裏を地につける。両膝を外に広げ、足の側面からの垂直線と膝の側面が同一線上にくるようにする。膝は150度に曲げる。 軽く肛門を閉め、かすかに腹を凹ませる。脚が円を描くようにして腰、胯関節をゆるめる。背骨を伸ばし肩をやや前に上半身をまっすぐにして,椅子にこしかけているようにする。
 肩を落とし肘を曲げ、前腕は互いに平行で地とも平行に構える。肘は約120度に曲げる。脇の下はこぶし一つ入るくらいにあけ、腰と肘の距離はこぶし二つ位にする。手の指はのばして手全体が地に対して弓状になるように、手首に力をいれない。人差し指が最上階で地と平行、残りの指は段々にはしごのように下がる。
 あごをひいて、両目は視線を斜め下に落とし、頭を落とさず左右に傾けない。
 注意
 舌の先を上顎へつけたりはしない。口は閉じない。
 上半身は下半身より力をぬく。腕はつっているような状態あるいは硬くしているような状態ではなく、左右にも歪めないようにする。腕の気を通す。
 両足に平均に重力がかかる。そうすることでようついに気を通す。
 功理
 頭が天を向き、手、足が地に向き天地の気を吸収する。内気は自然に回る。




上海和平公園での練功風景


    

劉茂林先生




少林内勁一指禅源流と特徴

偉大な祖師厥阿水