ヒントから徹底した学究によって完成したものもあります。
自彊法や、今はない霊子術はその典型だと思われます。
伝授できるものとできないものとがあります。
ヒーリングタッチはいわゆる外気功に属しますが刻苦訓練は必要とせず、伝授によってすぐ効果が期待できます。
方法と理論はわかりやすく科学的ですので、だれでも理解できます。何かを信じたり自分以外の力を借りてくるようなこともありません。
参考 堺政雄 自彊法
自彊法の伝授を受けたのは1988年頃のことだった。
自彊法は自強術とは違う、石川県富山市の九十才になる堺政雄さんが始めた治療法だった。雑誌「爽快}でたまたま見てはがきで問い合わせると一回の治療と治療法の伝授で十万円。最後の弟子として教えましょう。との返事があった。迷ったあげく受けてみることにした。羽田から富山空港へ飛んだ。
12月の日本の空、飛行機の窓から見える雲の変化が美しかった。雪の残る道をタクシーで訪ねると、富山市の住宅街に堺さんの家があった。壁に厚い大谷石を使った家ではじめて見る家のつくりだった。一人暮らしだった。間もなくお手つだいの婦人がやってきた。
前橋市からきた気功治療をしているという20代の男性と二人で最後の伝授を受けることになった。さっそく話が始まった。
「この年だから一度力を出すと、一ヶ月位は充電にかかる。もうやらないつもりでしたが、あなたがたが最後の伝授ですよ。」人の身体に触れると疲れるのだそうだ。堺さんは自然治癒力の覚醒法を編み出したと言う。それが自彊法というわけだ。
「子供の頃から病弱でしたから、天然の朝鮮人参をさがして朝鮮へ渡りました。大正三年17才の時分でした。健康になりたい一心で野生動物の生き血も飲みました。猟をしていて弾を受けた動物がどういう動きをするのかを見ると、治そうとして自然に動きが起きているんですね。ああ、これだと思って研究しました。本来動物には自分で怪我や病気を治す能力を備わっていることがわかりました。それが人為的に妨げられ病気を引き起こす訳です。自彊法はこの力を引き出す方法で、ある種の能波によってスイッチが入るんです」
「ではさっそくやってみましょう。」
正座をした私のうしろに立った堺さんは指先に力をこめて後頭部から首背骨に沿ってポイントを押した。ひと通り押し終わると、背骨に向けてエネルギーを発射した。自然に身体が左右に揺れて来る。そのまま動きに身をまかせてみた。自然に動きが止まったあとたしかに晴れ晴れとしてくる。
「これで私の能波が、入った訳です。私の能波を分け与えたわけですから、あなたからも能波が出ます。これから自信をもって根気よくやることです。では、この人にやってみて御覧なさい。」緊張しながらお手つだいさんにこころみた。
前橋からきた人は首をかしげるばかりで動きは出なかった。
「身体の中は動いているのだから、外見上の動きは重要ではありません」
堺さんに請われて前橋の人が、お手つだいさんを相手に気功治療の実演をした。手の指を首と腰にあててじっとしてるという治療だった。お手つだいさんは気持ちがいいと言った。
「自彊法は最高のものです。人間の心までも治していく力を秘めているんです。」