わかりやすい気功用語解説
気功の専門用語の理解(初級コース用)
初級 入門コース
気感訓練・リラックス功法(放鬆功など)・基本の姿勢・簡単な動功・たんとう功 など、入門コースでは気功を理解するために必要な感覚を身につけることができます。
気の動きには上下出入の4つがあります。この動きを体得することによって気をコントロールすることができるようになります。
中国では全身放鬆、意守丹田、上虚下実、自然呼吸、意念、入静、などを教えますが、われわれ日本人にとってはわかりにくいものです。
専門用語を知って理解を深めましょう。
気功でいう気とは
中国医学では古代から気について論じられてきました。体の中を流れているエネルギーのひとつ。あるいは命の源として気というものがあると考えられてきたのです。
気功はさらに、宇宙や環境に循環している気を取り入れ、体内の気を高めていく方法といえます。
気感(きかん)
気感というのは気の感覚です。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、皮膚感覚とならんで気感があると考えられます。長く八段錦などの動功を行っていても気感がえられないとよく耳にします。
気感は訓練しないとなかなか開発されないのです。入門コースでは気感を得るための練習法を行って、ほとんどの方々が気の感覚をつかめるようになります。
気感は皮膚感覚としてまず感じられます。暖かい、ひんやりする、風が吹いている感じ、磁石のようにひきつけられたり反発したりする感じ、しびれる感じ、びりびりする感じなどです。
姿勢−姿勢が正しくなれば病気も予防できる。
気功の三要素は姿勢・動作と呼吸と意念ですが、姿勢はもっとも重要な意味を持っています。姿かたちの勢いということです。その人の姿勢を見れば病気もわかるのです。
勢いのある姿を心がけます。
足は肩幅に開いて平行に立つ。足首、ひざ、股関節はゆるめて心もち曲げ、水の上に浮かんでいるようにして前後左右のバランスを整える。
全身放鬆(ぜんしんほうしょう)
気功を行うには体はリラックスした状態でなければならないといわれています。しかし、力がぬけた状態を言うのではなく、全身は緩んではいますが、一点は集中しています。
中国では全身放鬆と掛け声がかかると、一様に放鬆状態になります。日本では放鬆という観念がないので、しっかりと理解しなければならないのです。
丹田(たんでん)について
丹田は普通は臍下丹田に力を込めるといわれるように、へその下数センチと考えられています。しかし、気功では丹田というのは丹が集まるところという意味で、へそ下の部分をあらわすものではありません。
上丹田 中丹田 下丹田はそれぞれ眉間の間、胸の中心、へその下数センチのところというのが定説です。
丹という言葉はもともとは水銀をつかった赤色顔料で水銀朱というものからきています。田は米を作ったりする場所です。不老不死の妙薬をつくるのに水銀を熱したことから、丹田は妙薬をつくる場という意味になったのです。
意守丹田(いしゅたんでん)
丹田を意守しなさいといわれてもどうしたらいいかわかりませんね。やっているうちにわかってくるものですが、こつを教われば上達は早くなります。丹田を意識する。と普通は考えられています。しかし、強く意識してはならないのです。あくまで軽く意識します。
では具体的にはどのようにしたらいいでしょうか。それを入門コースで練習します。
気沈丹田(きちんたんでん)
呼吸との組みあわせによって気を丹田に下ろす。にごった水が沈殿して澄んでいくように心も体も澄んできます。
上虚下実(じょうきょかじつ)
上半身は軽く力がぬけているが、下半身はずっしりとしている状態。下半身に力が入っているというのとは違っています。
息を吐くときに意識を下に向けると体の重心がさがって、足が床に押し付けられるように感じます。基本の姿勢では重心がへその位置よりも下にきています。そのとき、自律神経は副交感神経が興奮して心身は落ち着いた感じになるのです。
同時に足首、ひざ、股関節がゆるんですこし曲がっている状態になります。上半身はまっすぐになった背骨にバランスよく支えられています。
呼吸法について
自然呼吸(しぜんこきゅう)
腹式呼吸の重要性を説いている方々もいますが、気功では自然な呼吸を大切にします。呼吸の度に腹部をへこませたり、膨らませたりするのは、腹筋運動ということです。
普段の呼吸のまま、その呼吸を意識するというところからはじめます。
それだけのことで、呼吸と意識があいまって気をコントロールできるようになるから不思議です。
意念(いねん)
意念というのも気功独特の言葉です。意識と念じる心という風に考えることもできますが、意識と神経の働きといったほうがあたっています。
練功(れんこう)
気功を練習することです。練功は毎日やることが大切。よく1日何分くらいやればいいかと聞かれますが、最低30分は必要です。
毎日同じ場所で練習をしていたら、畳が足の形にへこんできたという話があります。
動功・静功・站椿(たんとう)
文字通りに動きのある功法は動功、動きのない功法は静功ですが、動きの中にも静があり静の中にも動があると教えています。止まって見える静功中でも体内の気や内勁は活発に動いています。
站椿功は杭(くい)のように立ち続ける功法です。大地に木の根がはり、大きく成長するように大地の力を得る功法です。くわしくはこちら
気功の専門用語の理解(中級コース用)
中級 一般コース
気の強化法、気のコントロール法、入静法、採気法、少林内勁一指禅・八段錦・空霊功 静功・たんとう功 など
採気(さいき)排気(はいき)
呼吸で酸素を吸い二酸化炭素を出しています。同様に新鮮な気を吸収して古くなった気を排出すると考えればいいです。
呼吸とともに、天と地の気、宇宙の気、そして樹木の気を取り入れ、病気の気を体外に出します。
築基(ちくき)
吸収した気を丹田や体内に蓄えることです。100日築基といい、100日間気功を行っていると小周天を行うに十分な気が充実してくると言われています。
周天(しゅうてん)
気の循環の経路はまず、任脈と督脈です。督脈は肛門の前の会陰のつぼ(肛門とこうがんの付け根の中間点)から背中の中心線に沿って上昇して頭のてっぺんの百会をとおり唇の下まで、任脈は体の前面の中心線に沿って会陰まで下降します。
この経路を気が循環することを小周天と呼びます。
内勁(ないけい)
少林内勁一指禅では初級では丹田に気を集めず、自然に任せます。気は体内を自然に循環するのです。その結果体を突き抜けるような力が出るようになります。それを内勁と呼びます。意念で気を導き動作に力を与えます。
入静
長く気功を練習していても気の感覚がつかめなかったり、気功の状態にはいれないという人もおおいです。気功中の脳の状態を入静状態といいます。
睡眠中に病気などが改善することは知られていますが睡眠中でも脳は活動しています。エネルギーを消耗し続けています。入静状態は入静の程度によってさらにエネルギーの消耗が少ない状態に入れます。このため、病気はより改善され疲労も回復できます。
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八段錦(はちだんきん)
中国で13世紀頃に流行し始めた動功のひとつです。いろいろなタイプの八段錦が伝えられています。
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気功の専門用語の理解(上級コース用)
上級 師範コース
気功理論、静功(手印、真言等を用いた静功など)、外気功法 など
手印(しゅいん)
手指の組み方によって気をコントロールするという方法。
真言(しんごん)
言葉の持つ力を最大限使います。
外気(がいき)
体内の気を内気と呼び、体外の気を外気を呼びます。日本では内気を手などから出すことを外気としています。
偏差(へんさ)
いわゆる気功の副作用のことです。気功人口の多い中国では以前から偏差が問題となっていました。複数の功法を行うときは特に注意をする。気を上げすぎたり下げすぎたりしない。上丹田を意守するときは慎重にする。
功をあせらない。順序良く練功する。できるだけ指導者の指導のもとで練功する。
内視(ないし)
体内を観ることです。内観とも通じます。