糖尿病によい気功 功法 

 

糖尿病に直接効果のある気功として、気功導引去病健身法(上海科学技術文献出版社)より、気功導引を紹介します。
 そもそも導引とは、古代から伝わる自我健身運動で、相当なバラエティがあります。その特徴は、呼吸に合わせて、体を動かすことにありますが、気功の要素である、意念を用いて気を特定の部位に運ぶ、あるいは、汚れた気を排出するという作用もあります。
 代表的なものに五禽戯、延年九転法などがあります。
 その働きには、人体の陰陽を調節して、経絡の気の通りをよくし、内臓の機能を高め、元気を蓄積、体調を整えるなどがあります。
 行うにあたっては、新鮮な空気の静かな場所で、食事の後は避け、冷えたりしないように注意します。
 糖尿病気功導引法 7種、
 なぜたくさんの方法があるかというと、中国医学では、病状の別だけではなく、年齢や、体質、生活の違いにより、処方を変えるのが常識だからです。

 糖尿病気功導引法 功法185
姿勢:あぐらに座る。
  右手の上に左手の背を重ね、下腹の前に置いて左右に体をゆすり、全身の力をぬ    いてリラックスする。8回ゆすり徹底的にゆるめる。
  頭を真っ直ぐに、背を伸ばし肩を前にいくらか落とし、目と口を軽く閉じ、舌の先   を上につける。
呼吸:鼻から徐々に吸い、口からゆっくりと吐く。ゆるやかで、柔らかい呼吸で吸う   吐くの長さ、リズムを同じにする。
  数を数えててもよい。1から十まで数えてまた1から数える。途中、雑念がわい    たら、その場から1からまた始める。体が傾いたら真っ直ぐに修正する。
   気持ちが落ち着かない場合は、下腹に意識を置いて、心を落ち着ける。
   眠くなったら、鼻先に注意をして見るようにするといい。

 15分から30分後、意識的に呼吸を長く、息を吐くときフー発音するように念じ、 体内の滞った気を排出10回。(フーは脾臓系に響く)
 その後、体をゆっくりゆらし、けんこうこつ、首、手足を振る。
 両手親指の背側を合わせて摩擦して、顔にあて、目から鼻にかけて上下にこする。 更に、手のひらを合わせて摩擦、耳をこすり、続いて頭から足の裏までよく摩擦す る。もう一度しばらく座って、でてきたつばを3回にわけて飲み込んで終わる。

糖尿病気功導引法 功法189
姿勢:まっすぐにして、上に向いて寝る。両足は自然に開いて伸ばし、両腕、両手を 伸ばす。意念で下に気を流すようにする。
動作:
1、体をまっすぐにしたままで右方向に向きながら上半身をひっぱるようにする。左  側に同様に行う。左右交替に数回づつ行う。
2、右膝を上げ、両手でかかえて力をこめて左脇の下方向に引っ張る。しばらくして  力をゆるめて足を元の位置に戻す。同様に左膝を右の脇の下方向に行う。左右交  替に数回ずつ行う。
3、両膝をつけたまま上げ、両手で膝を抱え、左右に開く。数回行う。
4、右膝を上げ、両手で右足を持って胸方向に引き付け、力を緩めて戻す。同様に左  側も行う。左右交替に数回ずつ行う。
5、今度はうつぶせになり、両手親指を中にして握り、肘を曲げ肘で体を支える。腰  を持ち上げて、数回揺する。
以上の全体の動作を数回繰り返す。                      呼吸は自然呼吸で、呼吸に合わせてゆっくりした動作で行う。  
自然呼吸で、呼吸に合わせてゆっくりした動作で行う。
糖尿病気功導引法 功法188
 この功法はやけに長いと思って期待して読んで見たら、なんと八段錦でした。出典が明記されていないので、こういうこともあります。八段錦については、この会議室でもでてきていますので省略しますが必要なら、周ねんぽう氏の八段錦の翻訳がありますので紹介できます。
 

 糖尿病気功導引法 功法186  体力のある方向き
 両足を肩幅に開いて、自然に正面を向いて立ち、胸、背骨を伸ばし腹をひき、呼吸を整えます。 3回、ゆっくりと静かに自然呼吸を行う。
続いて吸気で両手を手のひらを上にして下腹から徐々に上にあげて、胸の前で手のひらかえして、手のひらを上にして、更に頭の上に天井を押さえるように、伸ばす。そこで、呼気で手のひらを前方に向け、前かがみに腰を曲げ、両手を床に着地させ、両足は腕たて伏せの要領で後方に伸ばす。
 更に、手はそのままで息を吐く時、足をつっぱり、腰をさげて、顔を上げて、口を開いて空気を出し切る。
 続けて、吸気で、膝を曲げて床につけ尻を後ろに付きだし、鼻から吸う。空気を丹田、下腹まで意念で導く。
手はそのままで息を吐く時、膝を伸ばして足をつっぱり、腰はさげて、顔を上げて、口を開いて空気を出し切る。呼吸に合わせて14回繰り返す。
 体を起こし、元の姿勢に戻り、両手を上げて、顔を左右に動かし首をねじる動作を14回行い、ゆっくり手をおろして、3回自然呼吸を行う。

参 中国医学では腎臓は黒色、水に属し、声では、「ヘー」とか「つゅー」とかがいいと言うことになっています。ネイティブの発音を表現するのは難しいですが、中国にも方言もありありますから、日本式発音でいいと思うのですが。
 腎臓には肺を強化するのが治療法の一つでもあります。
 
  馬礼堂による養気功のうちの六字訣 吹字訣補腎気  立式。
予備姿勢:足幅は肩幅で膝を軽く曲げて、背骨を伸ばし、頭をたてて正面を向いて     力を抜いて立つ。両手は自然に垂らす。
  自然腹式呼吸で、両手を後ろにまわし、両手の甲をおしりにつけて、腰のあた    りまであげさげする。吸気であげ、呼気でさげる。
姿勢:立式。自然に立って、足の指で床をつかむようにする。
呼吸:口を横に広げて閉じ、舌先をうわあごに接し、くちびるをふるわせて(C    HUI)チュィーと声をだして息を吐きながら。自然呼吸で。
動作:両手を後ろにまわし、両手の甲をおしりにつけて、腰のあたりまであげて前   に弧を描いてもってきて、腹の前で球をだくように両手の指を向き合わせて、   膝を曲げて腰を落とし、両手を手のひらを下向きにしながら膝の前下に移動、   吸気でゆっくり伸び上がり、準備姿勢に戻る。
   吐くのが先。まず息を吸ってからではない。吐くとき肛門を締め、腎臓部を   収縮させ引き上げるようにする。吸気時、足の指を緩める。

 同じく座式
 足を前に伸ばして座り、両手は太ももの側方に置く。吹字を発音しながら、手の甲を腎兪につけ、ぐるりと前に回し、腹の前で球をだくように両手の指を向き合わせてから、両手を伸ばして足の裏の湧泉穴に触る。
 息を吸いながら戻る。

 動功 八段錦のうち第六段錦 
 肩幅に足を開いて立ち、両手のひらを下腹の丹田につける。
 息を吸いながら両手、下腹部の両側を摩擦しながら、背中に移動、上半身後ろに反る。同時に意念で丹田の気を丹田から命門(へその裏側)に移動。
 息を吐きながら、上半身を膝を曲げずに前に深く倒す。同時に両手は腰から、太ももの裏側、ふくらはぎ摩擦しながら、かかとまでさげる。意念で気を湧泉までさげる。
 息を吸いながらあしの内側を摩擦しながらもとの姿勢に戻り息を吐く。
 4〜8回繰り返す。(周稔豊、気功導引養生による)
 上がるときの手の動く線上に少陰腎経があり、湧泉(足の裏で爪先から3分の1の中央)へと続いている。

 亀蛇気功

 1、神亀出水
 うつぶせに寝て両足は自然に伸ばし、肩幅に足を開く。両手は肘を曲げて肩のあたりに軽く握って置く。ゆっくり鼻から息を吸いながら首を前に伸ばしながら頭を挙げて、上後方へ上体をそらしていく。まず、腰と背中の筋肉を使い、さらに両手で支えるようにする。両目は上遠方を極力見るようにしてから、頭、首、肩を緩めて、息を吐き、唾(だえき)を飲み込む。もう一度軽く息を吸い飲み込んだ唾を下腹、丹田に送り込む。その後、ゆっくり深く長く息を吐き、吐き切ったところで全身の力を抜いて休む。自然呼吸で整えること3〜5呼吸。
 以上を5〜10回繰り返す。

 2、左右波動
 立って行う。背中の腎兪のあたりに両手を置き、腰を左右にふる。左に体が倒れるとき、左手を下げ、右手を上げる。
 まず、手のひら、次に軽く握って親指と人差し指のところで、さらに手の甲を両手反対方向に上下させる。最後は次第にゆっくりしながら終わる。
 1往復1回と数え、100〜200回

 補助活動。
(1)腰の第2腰椎の下、外側3センチ。腎兪を、両手をこすり合わせて熱くなったところで、上下に摩擦する。
(2)両手のひらを重ねて、下腹部を回転させながら摩擦する。
(2)両手をこすり合わせて熱くなったところで、湧泉を摩擦する。49回。
「百病気功自療法」1992年3月  北京体育学院出版社より。
 まだまだたくさんありますが、以上のようなものはいかがでしょうか。
 立ってやるのが基本ですが、座ったり、寝ながらやるのも気持ちがいいです。
 自然呼吸というのは、落ち着いている状態で無意識に行っている呼吸を軽く意識するといいと思います。2、3回は息を吐き切るようにしてから、自然呼吸に移るとよりすっきりするかと思います。  はまかぜ
 

 「気功導引去病健身法」には、体験談とか、功法の解説はありません。食事療法のポイントが、書かれてあります。
 1、2種の功法を交替に、朝と夕に3回から5回づつ練功して、長期間続ける必要があると書いてあります。私自身も、始めて接するものばかりですが、基本的なことは気功全般に共通ですから、理解することができます。やってみての疑問などがありましたらまた言って下さい。
 やってみると、体全体にあたたかくなって糖尿病だけでなく、ストレッチの要素もあって内臓全体に気持ちがいいですね。功法186はカエルのスタイルをイメージしています。
 
 
 
 

 林茂美著、らくらく気功健康法 にのっているものを2つ。
 糖尿病に効果のある静功
 姿勢は、上向きに寝てやるのが基本。座っても、立っても可。左手の五指をばらばらに広げ、左上腹部の脾臓の上に置きます。右手は対称的に右上腹部の肝臓の上に置く。この状態で腹式呼吸を繰り返す。できれば息を吐くとき両手を少し震わせるとより効果的。10〜20分朝夕2回。心の持ち方としては「上腹部が暖かい」「インシュリンがどんどん分泌すると念じると良いでしょう。

 糖尿病に効果のある動功 かかと歩き
 かかとから地面につけて後ろ向きに歩きます。呼吸に合わせて「吸う、吸う」で2歩後退して「吐く、吐く」でさらに2歩後退します。これを2回行って下さい。(合計8歩後退。)今度は前進、「吸う、吸う、吸う、吸う」で4歩前進。「吐く、吐く吐く、吐く」でさらに前進。このときもかかとから地面につける。リズミカルに音楽に合わせておこなうといい。かかとの刺激が糖尿病に最適。1日1回、5〜10分。 注意:動功は血糖値が下がるので、下がり過ぎて低血糖をおこさないように注意しながら行う。医師と相談の上、随時検査を行い、薬を加減することも必要です。
  


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