気功教室 体験

実際の授業の様子の一例をご紹介します。

気功で治療するというのは、具体的にどのようにやるのでしょうか。
”外気治療”という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、気功師が患者に向けて気を発する、というものです。もちろんそういう方法もあります。
しかし、ここでは自分で行う気功に注目してみましょう。外気治療は、あくまで補助的に行なうと考えてください。
自分にあった功法を、自分で行なっていくのです。いろいろな功法を紹介ていますので、その中でできそうなものを毎日習慣のようにして続けて行ってください。
それから、気功は療法ですから、同時に食事法や、自己マッサージ、健康法も勉強します。気をぬかず頑張ってください。

気功教室ではまず身体のリラックスにこころがけます。

座って行う功法

座りましょう。
まず正座です。指と指を重ねたりしないで左右の足の指先が接するようにして両足の上に平均に体重がのるようにします。
しびれない座り方をしても意味はありません。
背筋がのび体のゆがみがでない座り方をします。
できるだけ背筋を伸ばしてください。あごをひきます。
鼻先をみつめておへそに向きます。両手は重ねて下腹の前に起きます。親指の先をつけます。腕はお盆のようにまるくします。
まるいお盆をかかえているような感じにします。

あぐらをくんで片足を反対の足の上にのせます。いわゆるはんかふざです。
 両手はひざのあたりに軽くおいて、肩の力を充分にぬきます。
 息を吐きながらお腹を左に落とします。続けて命門(めいもん:背中にあるツボ)を開くようにしてお腹を後に下げます。はく息を吸いながら右に上がっていきます。
 丹田(たんでん:へその下あたりの一体)に玉があって、それをころがしているように意識するといいようですね。頭はそのまま、でお腹だけがまわるようになれば、さらによくなります。
 そうなってくると、力はいれないのに、自然に回転するように感じます。

背骨を調整

 これから行なう方法は、命門を開き、腹筋と背筋を強化して調整することができます。
 ”上虚下実”という言葉があります。上体の力がぬけて、下半身、特にヘソの下の丹田と言われる場所に力があるとき、体の調子は自然と整います。
 この方法は命門を刺激し、上虚下実をたすけ、丹田力をつけます。
 床に仰向けにねましょう。
 膝を折って、足は肩幅に開き、両膝はつけます。両腕を前に伸ばして体を起こします。両腕で反動をつけてかまいません。
両手を重ねてお腹にあてます。完全に肩をリラックスしながら、ゆっくりと後に上体を倒していきます。背骨の一つ一つが腰から順に、ぽきぽきと折れ曲がっていくようにします。途中でスピードが変わらないようにします。このとき肩に力が入ってはいけません。
 ゆっくりともどってきます。
 キャタピラのように背骨が動くのがわかりますでしょうか。
 背骨は、積み木のように首に骨盤からの腰椎、胸椎、頚椎で成り立っています。腰椎の部分は以外に太いのです。この一つ一つの骨が、順に曲がっていくようすを想像しながらやってみましょう。
 背骨を積み木のようにまっすぐたてます。まず息を吸って、それからゆっくりはきながら、上体を後ろに倒していくと、腰椎、胸椎、頚椎と背骨下から上に、ぽきぽきと折れ曲がっていくのがわかりますか。
身体を倒したら、しばらくそのままゆるめます。
この、ゆるめたときに、天地のエネルギーが全身の皮膚から体に入ってきます。

 両手を前に出して起きます。このとき、息を吐きながらだと、力がはいりませんね。吸っているか、止めていないと起き上がれません。ためしてみてください。
 こうすれば、呼吸と動作との関係が少しわかると思います。
 気持ちよくできたでしょうか。一生懸命になって行うのではなく、、のびのびとやってみてください。
 これだけ覚えて続けても、相当に効果があります。

立ち方の復習

次にまず正確な立ち方を復習します。
足は肩幅に足を開きます。足首、膝、股関節の力をぬいて、足の裏を見ているようにしてください。実際には目をつぶっていてもいいし、半目でもいいです。ただし、まぶたはとじていても、目は開いています。足の裏の中心である湧泉(ゆうせん)というつぼをみます。
体の力をぬいて、足の裏に体重をのせてあずけるようにします。
そのまま自然呼吸を続けてください。
次は立って、両手でゆっくりと体全体を摩擦して気の流れをよくする方法です。腰から脚の外側を摩擦しながら、足の指までおろし、続けて脚の内側をなでながら上がって、そのまま腹、胸、顔、頭、首の後ろにたどりわきの下から背中にまわす。これを36回繰り返します。  
 その前に、両手を前にたらしてみて、どのくらい床につくか試しておきます。この方法を36回終わったあともう一度やってみると違いがわかるかもしれません。
 ではやってみましょう。
 立ったまま両手を前に降ろしていきます。床につきましたでしょうか。今の感じを覚えておいて下さい。
 腰の幅に両足を開いて立ちます。膝は少しまげて全身の力をぬきます。呼吸は自然呼吸です。両手を背中の腎臓のところにもっていき、てのひらをあてます。
 ゆっくりとお尻からふとももの後側を摩擦しながらおろし、膝の後ふくらはぎ、足の小指のさきから親指まで触って、今度は脚の内側を摩擦しながらあがってきます。お腹で両手がそろって胸、のど顔、さらに顔をこすり、頭まできたら後にまわり、首のところで胸におり、胸を開くようにして、背中なるべく高い位置に両手そろえて押さえ、腎臓の位置に戻ります。これで1回です。
 続けて36回行ないます。
 膝が足の先端からでないように気をつけて行ないます。
 両手が下に下がって、大地にむかって下りて体重が足の裏にかかります。すると自然に下から沸き上がってくる力で自然に体が伸びてくるように感じてきます。
 36回終わったら、そのまま手をぶらっとさせてしばらくゆるめます。
 温泉にでも入ったような暖かい気持ちの良い感覚です。
 もう一度前屈して、手が床にどこまでつくか試してみましょう。さっきよりは楽ではありませんか。

肩の調整

 肩こり解消に肩をまわす運動です。

第一段階
大きく肩をまわします。力はぬいて自然にたらした肩と腕を息を吸いながら、前方へ押し出すようにしながら上に持ち上げます。肩は回転します。ほっと息を吐きながら腕を後にまわします。力を入れて大きくまわします。
10回やります。
第二段階
同じことを、今度は軽く力を入れないでやってみましょう。
10回やります。
第三段階
今度は、大きめの上着をきると中に多少の余裕がある状態を想像してください。その上着の中でやるようにして、同じ動作をやってみます。
10回やります。

どれが気持ちがいいでしょうか。
だんだんと力をぬいてゆっくりやるのが気持ちよく感じるようになってきます。

首の調整

首を調整しましょう。座ったままで行ないましょう。両手は膝の上におきます。
息をはきながら、首の力をぬいて前に倒します。
頭を前に倒して、もどるときあごをひきながら首が伸び上がるようにしてあがっていきます。
頭のてっぺんからひもでつられているように想像してください。ひもがゆるんできて、頭が前にたおれます。
ひもがぴんとはってきてもまっすぐになります。今度は後にたおれます。
左に倒れ、もどって右へ倒します。

 

南風 今までやったのはすべて気功の準備運動です。
Y ええ、気功だと思ってやっていたんですよ。いつになったら気功になるんですか。
南風 毎日二時間やれば三ヵ月ですが、普通は一年くらいかかるでしょう。
南風 今日で二回目の授業でしたがどうでしたか。何か感じられましたか。
P  はい。まず手がとても熱く感じました。先生が手をかざすと体までぽかぽかしてきました。
南風 そうですか、暖かく感じるというのも気の感じ方の一つで最も確認しやすいものですね。温度計ではかると確かに温度はあがっているんですが、それよりも不思議なのはね。こうやって私の手をコップの冷たい水に手をつけてから、あなたの手にちかづけますよね。
P  ええあたたかいですね。
南風 こうやって手をつけると冷たい。こちらの手そのものは冷たくても、でてる気は暖かく感じるのです。
S 私の場合は途中で手でボールを持つようにしてこねるようにしなさいといわれたら、磁石のように反発するんでこわくなりました。
南風 両手がはじきあうんですか。
S そうです。
南風 それは、こわがることはありませんよ。よろこんでください。そんなに強く感じられたんですか。今までにそういったことは感じたことはありませんか。子供のころの体験とか。
S 全く初めてです。だからこわくなっちゃったんです。
南風 Sさんは若いですから気感も強いんですよ。さきほど私が手をかざしたら、ちくちく刺すような感じがありました。
Y ちくちくするのはあまりよくない気なんですって、前回先生いいませんでしたか。
南風 確かにちくちく感じるする場合は、病気の気が出ているという場合があります。でもSさんの場合は、手に気があつまっているということで、病気の気がでているのとは違います。しかし、これほど強くでるのはめずらしいですね。
確かSさんは、前回の最後に、私がSさんの手に気を入れたとたんに顔が真っ赤になって熱くなったんでしたよね。敏感体質なのかもしれません。
P Sさんの手に近づけるとびりびりします。
Y 先生、私は今日はなにも感じなかったんですが、どうかしたんでしょうか。先週の一回目の授業では感じたんですが。
南風 一回目はどんなふうに感じましたか。
Y びりびり電気が走るみたいに。
南風 大丈夫です。感じても感じなくても気にしないでいいんです。
Y でも今日は冷たくて冷たくて、手が凍りそうだったんです。
南風 冷たく感じるのも気感ですから、安心してください。暖かいからいい、冷たいのは悪いというわけではありません。