道家紫霞功

 
 気功とは


 気は、目で確かめることはできませんが生命の源であり、エネルギーの一種と考えてよいとおもいます。
 気功は中国に古くから伝わる、心身を鍛える健康法の一種で、姿勢、意識、呼吸を同時に訓練することで気の力を高め、気の流れを調整し、生命力を強める方法です。体を動かしながら行う動功、体は動かさず気を巡らせる静功があります。
 日本では弥生時代のころ、すでに中国では民間に気功が行われていました。
 気功という名前がうまれたのは1950年代で、それまでは内功、導引、布気、吐納、修道、座禅、忘座、練丹、行気などと呼ばれていたものを総称して気功と呼ばれるようになったのです。
 戦中戦後の厳しい時代に気功のよさが見直され、1950年代に盛んに研究されました。その後文化大革命の時代には徹底的に迫害され、消えたかに見えたのですが、1980年頃には復活し、おおいに流行するわけです。郭林という女性が自分自身のガンを気功で克服し、迫害下で公園に出てその気功を教えたのをはじめ地道な活動などが続けられていたのです。
 太極拳は今から50年前に気功の原理をとりいれて考案されたものです。
 気功は中国医学の一つでもあります。古代中国で西部では、漢方薬の処方、東部では石をとがらせた先端を使い、南部では針、北部では灸、按摩、中部では気功が盛んに行われたのですが、それらが組みあわさって医学として発展しました。ですから、今でも、中薬針灸、按摩、気功を組み合わせて治療します。その基本的な理論には陰陽五行、五臓六腑の理論、つぼともいわれる穴位経絡、体液、病気の原因などの理論があります。
 気功の流派
 気功には多くの流派があります。1000以上といわれる流派を大きく5つに分けることができます。道家、仏家、儒家、武家、医家です。道家は、中国土着の宗教である道教の流れからきていて、老子、庄子の学説、哲学に基づいて発展してきたものです。練気得道つまり、気を練って道を会得することを目指します。
 仏家はインド伝来の仏教の流れからきています。出家成仏という思想が根本になっています。
 儒家はいわゆる儒教の流れです。これは孔子を開祖としています。
 武術家は武術の流れです。体を鍛練します。少林寺拳法などです。
 医家は医療気功の流れです。中国では病院内で、気功治療としてすこしずつ行われています。
 気功の中には、かつては宗教上の修練方法であったものもあったわけですが、そのいちじるしい効果のために現代では宗教とは離れ、健康法として発展しています。
 道家
 今からお話する道家紫霞派はその名前のとおり、道家に属しています。道家の中にも多くの派があり、かつては祖伝といいまして代々親から子へと伝えられてきたものです。道家の特徴は道教の中から生まれてきた気功法であるということなのです。しかし、道教という宗教の一部というわけではなく、道教を信奉をしている人の間から発生してきたというものです。道教の教えの影響が濃厚なのも事実です。
 道教は道徳教を伝えた老子が開祖で、庄子がその理論を完成した中国固有の宗教であります。
 古代の中国では鬼神が崇拝され、占いや巫術が横行していました。仙人思想も盛んで不老不死の研究が行われました。老子、庄子は道徳教の中で自然主義を唱えました。そこへインドから仏教が伝わり、中国古来の信仰をまとめる形で巫術、仙人思想、老子の自然主義などから発展し、2世紀頃に生まれたといわれています。その後仏教とも融合しながら今日に伝えられてきました。日本にも伝えられ風水、易学、民間信仰などとして残っています。
 道とは何かということですが、簡単に言うと自然界の規律または法則と言えます。この世界のいたるところあまねく道があると考えます。人間もこの道という規律の中で生きています。「得道」と言ってこの道に沿っていれば、人は健康、長寿が保たれ、逆らえば健康を害し、寿命をちじめてしまうと言うわけです。養生法という名前で馴染んでいる方もあるでしょう。
 養生の基本
 人間はもともとは、100才から120才くらいまでは生きられる素質を持っていたわけですが、先祖の不養生が子供に受け継がれて現代人はなかなか100才まで生きられないというのが現状のようです。
 古代には、特に練功をしなくも養生法に沿った生き方をしていたようです。その基本は、「食欲有節、起居有常」です。
 身体によいことはめんどうくさがらずにこまめにやるのがいいのですが、身体に悪いことは、たとえしても、気にしないほうが良い。しかし、「食欲有節、起居有常」だけは守らなければいけないと言われてきました。気功をしていればなにをしても健康になれるというわけではなく、まず、生活を正していくこと、これなくしてはいかなる努力も水の泡というわけです。
 食欲有節というのは、規則的に食事を取り、食後はよく身体を休め過不足のないように食事をすることです。体に悪い物は避け、体にいいものをとることはいうまでもありません。薬や栄養剤に頼りすぎては結局は生命力を弱めてしまいます。腹8分め医者いらずなどともいいますね。
 起居有常と言うのは、太陽が上がったら起き、仕事をして、日の沈む頃には身体を休ませなさいと言う事です。早起きは3分の得と言いますね。道家では、朝は太陽とともに清気が満ちあふれるが、夜、夕暮れとともに濁気がおりてくると考えます。

 陰陽のバランス
 中国の古代の思想の一つに陰陽学説があります。この世は初め、混沌としていたがまず、陰と陽の2極にわかれた。女、月、裏、下、静、などは陰、男、太陽、表、上、動は陽といった具合にようすべてのものが陰と陽に分けることができます。この陰と陽の観点から見ると、昼というのは陽、夜というのは陰ですが、一日の間にこの2つがうまく調和、交替しながら撹拌しているわけです。人は、体内に陰陽両者を持っているわけで、これが自然のサイクルと同調せず、片方に傾いて、バランスをくずすとよくないのです。陽は「動」ですから、昼は十分に陽の外気の中でまじわり、陰は「静」ですから夜は濁気をさけて家の中で休まないと、うまくない。老化を早めてしまいます。
 自然界では陽と陰がうまく撹拌され、まじりあって調和しているわけです。
 人体にも陰陽があります。体の上部、表面、背中、手足の外側などは陽、体の下部、内面、胸腹部、手足の内側は陰ということになります。

  物の陰陽
      空間  時間 季節  温度 重量 明暗  運動
  陽  上、外  昼  春夏  温熱  軽  明   上昇 動 興奮昂進
  陰  下、内  夜  秋冬  寒冷  重  暗   下降 静 抑制衰退

  人体の陰陽
       人体部位        組織
  陽  表 上 背 手足の外側   皮膚 毛 六腑 手足の三陽経 気
  陰  裏 下 腹 手足の内側   筋肉 骨 五臓 手足の三陰経 血

 現代人は、そう言った道にのっとった生活がしずらい状況の中に暮らしています。夜の街に出掛けて食べたり飲んだりすることも習慣になっていますね。
 「得道」ということがだいたい見えてきたわけですが、つまり、道という自然の規律にのっとって生活し、健康を保ち長寿をまっとうすることですね。ここで人の生命活動について少しふれます。
 気の働き
 気の観点からいうと、人間は、先天の気と後天の気の2つの気のはたらきによって生きているといえます。
 先天の気は受胎時に父母からうけつがれるものです。生命を誕生させるみなもとの力です。父母の気が弱ければ生まれてくる子供の気も弱いわけです。元気ともいいます。先天の気は生まれたときにはとても円満で強いのですが、成長するに従って段々と弱まってくるものです。
 この先天の気の消耗過程がつまり老化と言えるわけです。気は、一種のエネルギーと考えてさしつかえありませんが、もっと広い意味でも使っています。
 先天の気は全身くまなく存在し、いろいろな働きをしています。肺に蓄えられている宗気、全身にエネルギーを供給する栄気、体温を保ったり、外部から守る衛気などです。脾気、心気、肝気、腎気などにある臓器の気、といった具合に内臓蓄えられ生命活動をコントロールしているのも気と考えられています。
 先天の気は後天の気による補充がなければすぐ尽きてしまいます。
 後天の気は飲食物から得られる栄養物質から体内で作り出されます。後天の気は先天の気を補うのですが、不養生があればどんどん消耗し、身体は老化してきます。ところらが幸なことに気を練ることで、先天の気を増大することができるのです。
 先天の気は母親の胎内でへそをとうしてうけとりますので、へその付近に気の倉庫があると考えられています。これが丹田です。
 外気治療というのは、気を手や体から出して治療をするものです。この場合にも、後天の気が高まった段階でやるべきで、先天の気を出せば、当然自分自身の生命を犠牲にすることになります。
 道家の練功の理想は、老化していく人の一生の流れを逆流させ、老化すなわち先天の気の消耗を後天の気で補い、老年の人は壮年へ、壮年は青年へと体の状態をもどして行くことです。
 五行学説
 この世のすべてのものは木、火、土、金、水の5つの基本的物質から成り立っていると言う理論です。人体も5臓6腑といわれるようにこの5つの物から成り立っていると考えられています。表にするとこのようになっています。
 五行と五臓六腑
         木   火   土   金   水
     方位  東   南   中央  西   北
     季節  春   夏   長夏  秋   冬
     五臓  肝臓  心臓  脾   肺   腎臓
     六腑  胆   小腸  胃   大腸  膀胱  三焦
     五体  筋   脈   肉   皮毛  骨
     五官  目   舌   口   鼻   耳
     五志  怒   喜   思   悲   恐  憂 怯(七情)          五気  風   熱   湿   燥   寒   火 (六淫)

 経絡と穴位
 気の通り道を経絡といいます。経絡上の体表に現れたものをつぼ、穴位といいます。 体を縦に走る道筋を経脈といい左右6本ずつあります。それぞれが5臓六腑に繋がり、気が循環している訳です。5臓6腑にはつながらず、特別に任脈、督脈と呼びます。いる気の道筋をといいます。
 任脈はくちびるの下から胸の中心の檀中穴、臍にあたる神厥をとおり、肛門と性器の端との中間にある会陰までの、体の腹側、中心を通っている経脈です。督脈は会陰から後面、背中側の中心を通って臍の裏側にあたる命門穴、首の付け根の大椎穴、頭の頂上の百会穴から鼻の下までの経脈です。

 内丹術
 体内にとりこまれた飲食物の栄養を精と呼びます。精は気の働きで体をめぐり生命を維持します。また、精は気そのものにも変わります。ですから、飲食物はとても重要です。どういう物を食べたら、効果的かを盛んに研究され、ある種の植物、動物、鉱物にわたりました。古代中国で2000年前から外丹術と呼ばれた、この不老長寿の薬を求める努力によって、薬学、植物学、鉱業などがが発展し、火薬などが発明されました。
 しかし、水銀化合物を服用したりして反って命をちじめたりすることもありました。不老不死の妙薬を求めて、海を渡り日本にまでやってきたという記録もあります。
 その後、外丹術である服薬法から内丹術へと重きが移って来ます。この内丹術が今日気功とよばれるものです。
原料を入れたなべを炉にかけて熱すると、化学変化を促し、薬になる物質が生まれます。これが外丹術とすれば、内丹術では、自身の体の中に注目します。気の倉庫である丹田に精を集め、呼吸によって生まれる火で熱し、最高の薬である先天の気をつくりだすという発想です。これを練精化気といいます。
 精を意識的に後天の気に変え、先天の気を補えば老化を防げるわけです。

 意守丹田
 丹田は、臍の下3センチの奥にあり、気の倉庫の役目をします。
 錬功中は丹田に意識を集中させます。これを意守丹田といいます。錬功中は集中させると言っても力が入って緊張してはいけません。緊張と弛緩が同時にある状態で意識は集中するが気持ち良くリラックスしている状態です。
 気功で、気を活発化させ、動かした後に、気を丹田に戻します。気功を終わるときの動作、収功というが息を吐きながら両手で下腹部を押さえる、そのとき意識的に気を丹田にしまいます。
 玉清功法
 これから始める紫霞派の三清心法は、3っの段階を持っています。第1段階は錬精化気功で、玉清功法といい、いわゆる小周天を目指すものです。
 周天とは、天を運行する太陽、月などの軌跡の意味で、1週間の意味もあります。ここでは、体の中を気が循環することをたとえて使っています。
任脈と督脈を気が一周することを小周天とよんでいます。体の腹側、下半身は陰、体の背中側、上半身は陽です。ですから任脈は陰、督脈は陽であり、陰と陽が交じりあうことになるわけです。

 練功注意
 電話のベル、家族などに邪魔されることのない場所、時間を選んで行います。終わるときに行う動作を収功といいますが、収功前に中断すると効果がないばかりでなく気の流れに乱れが生じることがあります。
 食事、風呂の30分前後はさけます。飲酒は駄目、錬功中はたばこは吸わない。
 寒くなく暑くなく、時計ベルト、メガネなどは外し、ゆるめの衣服で行います。
 練功によって体全体から濁気が吐き出されるのでなるべく風とうしのよい部屋で行う。
 養気功

 錬成化気座功を始める前に、まず気を静め、丹田に気をあつめるため横になって20分程度養気功をやります。
 右側を下にして横になります。胸の左側にある心臓を圧迫しないために左側が上にします。右手は開いて手のひらを右の耳に当てます。手枕のようにです。右脚は延ばし、左脚は膝を曲げ右脚の上にのせます。左の足首が右脚の膝のあたりにくるようにして、体が弓形になるように腰、背を前に曲げます。丹田のあるへその少し下に左手の中心をあてます。全身の力をぬいて、意識を丹田にもってきます。
 濁気を吐き出し、清気を吸い込みます。呼吸は鼻でします。深く、ゆっくり、長く、自然呼吸から始めます。浮かんでくる考えや思いはさらりとうけながして呼吸に専念します。 気がやすまってくると体も楽になり呼吸も自然に深く長くなってきます。気分も楽になってきますので、息を吸いながら下腹をひっこめるようにして丹田を意識、息をはきながら下腹の力をぬいて意識を足の裏へ向かって動かすようにします。
 いろいろな考えや思いも足の方へ下がっていって、頭もやすまり、自律神経が調整されます。
 収功
 終わる時は、仰向けに向き直りながら右手をゆっくり丹田の左手の上に重ねてから、両手でボールを持つような形で首のあたりまで両手をもってきて、手のひらをかえして丹田まで下げ、丹田の上をおさえるようにして、左右に6回づつ回しもみする。

 錬成化気座功

 唾液や栄養分の精を丹田で呼吸の力を借り練って気に変えるという意味です。丹田に鍋があり中に精が入っています。それを呼吸の火で加熱して気を作り出します。丹田が熱く感じて、力がわいてきます。
 調身・姿勢
 座布団などで工夫して、座りやすくしてあぐらに座ります。頭、首、背中を真っ直ぐに延ばし、胸はひらきぎみにして、胸と腹を圧迫しないように肩の力をぬきます。左手で右手の人差し指と中指をつつむようにして左手の親指と中指の先で右手の薬指の付けねをはさみ、左手の親指をつつむようにして、右手親指と中指の先をつける。両肘は自然にたらし組んだ両手を下腹のあたりに置く。腕は肘を少し前に出し、腕全体が円を描くようにします。顎を引いて、軽く目を閉じます。
 準備
 まず汚れた体内の空気をすべて吐き出します。肺が空になったとろで新鮮な空気を十分に吸い込んで始めます。
 口を閉じて、口びる、頬は力をぬいて、前歯をゆっくりコツコツと24回ほどかみあわせます。次に奥歯を24回ほどかみあわせ、舌の先を歯とくちびるの間をぐるっとはわせます。右回り、左回り各12回づつやります。
 でてきた唾を3回にわけて飲み込みます。
 舌の先を上の歯の付け根につけ固定します。
 調息・呼吸
 自然呼吸で息を深く、ゆっくり、静かに、長くして、丹田を意識します。
 空気を丹田に導きます。
 時々提肛法を取り入れます。
 息を吸うときに肛門を引き上げるように力をいれる。はきながらゆるめ広げるようにします。
 調心・意識
 いろいろな考えや思いが浮かんできたら、呼吸を意識して丹田に導くように意識し、提肛法をおこなったりして、考えや思いにとらわれないようにする。
20分くらいを目安に行います。
 収功
 息を吸いながら両腕を広げ、気を集める気持ちで息を吐きながら両手を丹田に持ってきて丹田を両手を重ねて押さえ回し揉みする。
 収功は自然呼吸で意念で気を本来の場所に戻す動作です。
 まず、頭部にある気を体の中央を通過して丹田に導く。次に両手の気を手、腕、肩を通過して丹田に導く。足の気を足首、膝、ふとももを通過、丹田に導く。
 再度、全身の気を丹田に集めるようイメージし、最後に体の周囲にある気を、全身の汗穴、毛根から体内に取り込み丹田に導く。
 そのあと、両手を同時に開いて手のひらを合わせて、胸の前で両手をこすり合わせて、初めゆっくりだんだん早く、十数回、手のひらが熱くなるように動かす。
 手のひらが熱くなったところで顔洗い動作を行う。両手の手のひらをぴったり顔につけ中指が口の端から鼻の脇へ下から上へこすり、指先が髪のはえぎわに達したところから顔全体を中心から左右にこすりながらゆっくり両手を下げる。十数回行う。(6か9の倍数) 次に両手の指を開き軽く曲げ、額につけて指の腹で櫛をとうすようにはえぎわから後ろへ十数回行う。このとき爪で頭皮をひっかかないように注意する。
 最後に両手をにぎって頭の横に構え、背伸びをしながら手を上に上げ、手を開いて外側に向け、ゆっくり体の両側へ下ろし、目をぱっちりと開いて終わる。
顔洗い、髪をとかす動作は回数が多ければ多いほど良い。皮膚の血液循環を促進し、皮膚の栄養状態を改善し、酸素供給を円滑にするので、美容効果がある。

 龍虎開合

 錬成化気座功をある程度やってから始めます。
 同様に座り、両手の手のひらを下腹の前で向き合わせます。両手の手のひらの中心の労宮穴に意識を持っていきます。息を吸いながら手と手をゆくり少し遠ざけ、息を吐きながら近かづけます。これを繰り返します。呼吸は鼻で行い、静かに、深く、ゆっくり、長くするようにします。
 手の動きと呼吸が合ってきたところで、息を吸うとき下腹部を引っ込め、肛門に力をいれ、気を丹田から肛門、背中を通し肩まで運びます。息をはくとき下腹部と肛門の力をぬいて腕を通し手のひらまで運び、息を吸いながら肩まであげ、息をはきながら丹田に気を戻します。
 これを経絡、経穴で言い表すと、息を吸いながら下腹部を引っ込め、肛門を締め、丹田の気を任脈に沿って会陰に下げ、督脈を命門、大椎まで上昇、大椎から左右の肩井まで運ぶ。続けて息を吐きながら下腹部と肛門の力をぬいて肩井から天泉、曲池、内関、労宮に気をあふれさせる。次は息を吸いながら肩井にあげ、息を吐きながら任脈の檀中を通り丹田に戻します。
 座功よりも時間は少なく行い、収功は座功と同じように必ず行う。

 採気功

 錬成化気座功と同様にすわり、両腕を開いて両手のひらを床に向けて、脚の横に。肘を曲げ手のひらは床と平行にする。
 息を吐きながら気を手のひらの労宮穴に集める。続いて息を吸いながら、気を肩まで気を上げます。水に浮いているボールを手のひらで押さえているような気持ちで、息を吐くときは労宮穴へ、息をすうときは肩井穴へ気を往復させます。
 腕、肘、肩の力をぬいて、肩から腕が円を描くように、つまり気が通りやすいようにします。
 気が通ってきたら、息を吸いながら大地の気を労宮穴から吸い上げ肩井穴へもって来て、息を吐きながら任脈へ気を運び、丹田におさめます。続いて息を吸いながら丹田から会陰に気を動かし、督脈を上昇肩井穴まで運び、息を吐きながら労宮穴へ気を持っていきます。
収功 同様に収功します。