調息十九法  

1、自然呼吸法 (気沈丹田)
 呼吸は、普通は無意識に行っています。自然呼吸というのは、この普段無意識に行って いる呼吸を軽く意識することということができます。
   全身放松で(リラックスに近い)下腹に自然に吸い込む。
 呼吸の音を立てず、一定のリズムをもって、穏やかである。
 舌の先は上の歯の根元につけ、歯は軽く合わせる。(以下同じ)
応用:呼気と吸気を意識して長さを同じにする。
   呼気を意識をして長めにする。
   吸気を意識をして長めにする。

2、自然複式呼吸法 (意守丹田)順呼吸 
  自然呼吸から次第に移行していく。意識することなく、力むようなこともなく、自然 であることが条件。鼻または口で吐き(呼気)、鼻で吸う(吸気)。
 舌の先を上の歯の根元に接し、歯は軽く合わせる。息を吐くのが先、自然に腹部が凹む。 吸うとき自然にふくらむ。1分間2〜8回細く、深く、ゆっくり、穏やかに、ゆったり と、一定の間隔で、慣れてきたら次第に長くしていく。
応用:息を吐くとき、口から吐く。吸気で舌先は上に密着、呼気で舌をはなしてゆるめる。
3、逆腹式呼吸法 (周天、運気)逆呼吸
 先に息を吐き、胸を収縮、腹部を自然に外にふくらます。息を吸うときは胸部が拡大、 腹部は自然にへこむ。
応用:息を吸うとき丹田の気を胸の乳房の中心点だんちゅうに上げ、吐きながら丹田に押  し返す。

4、静呼吸法 (静功)
 自然呼吸に近い。更に静かに行う。

5、数息呼吸法 (入静)
 呼吸数を数えながら、意念を集中、次第に安静状態になる。安静状態に導くために行う ので、安静状態になったら、随息法に移行続けて数える必要はない。
 随息法は鼻の先をみるようにして呼吸の出入りを意識する。
応用:1呼吸ずつ1から10までを繰り返し数える。
   100から減数しながら数える。

6、深長腹式呼吸
 更に緩やかに深くしていく。意念で運気、意守穴位などを伴う。
応用:順腹式呼吸息で息を吸いながら足の裏の湧泉穴から下腹の丹田まで気を導き、息を 吐きながら丹田から湧泉穴に気を導く。

7、停閉呼吸法
 吸気−しばし停止−呼気。丹田に気が集まりやすい。
 吸気−呼気−しばし停止。丹田の気の調和に役立つ。
応用:吸気の時、心(こころ)。止めたとき、静(しずか)吐くとき也(なり)などと声 に出さずに念じる。

8、深呼吸法
 自然呼吸と同じ要領、鼻で吸い、鼻で吐く。吸気と呼気の長さは同じに。
応用:吸気時、静(しずか)吐く時、鬆(ゆるむ)などと声に出さずに念ずる。

9、意念調息法
 呼吸に合わせて意念で体内の気を循環させる。
応用:丹田を意識、息を吐きながら丹田から脚の裏の湧泉穴までたどる。息を吸いなが ら、湧泉穴から丹田まで、たどる。脚にパイプがあるように思い中を、ぴんぽん玉のよ うなものが行ったり来たりする。あるいは、目でたどるなど。

10、呼吸運動調息法 提肛法
応用:順呼吸で、吸気を丹田に下降させながら肛門を締め引き上げる。息を吐きながら下 腹を凹まし、肛門をゆるめる。
  逆呼吸で吸気で肛門を締め、呼気でゆるめる。

11、呼気意守調息法
応用:前方から息を吸い、吐きながら丹田に気を下ろす。目はまぶたは閉じても気の動き を目で追う。下腹の動きには気をとめず、吸気時には、自然に、意守はしない。

12、聴息法 (入静)
  呼吸の音を聞くわけだが、注意して聞くのではなく、感じている程度で良い。自然に 任せ、次第に雑念がなくなるようにする。(儒家の方法を道家で取り入れた)     
13、頓挫呼吸法
  クー(心臓)、シー(肝臓)、フー(脾臓、胃)、シャー(肺)、チュィー(腎臓)、 などと息を吐くときに口から声をだす。詳細省略。

14、胎息法  臍呼吸
  胎児の呼吸をまねたもの。丹田で呼吸するつもりで、できるかぎりゆっくり、細く。  詳細省略。

15、止息呼吸法
  更にゆっくり。詳細省略。

16、開合呼吸法
  両手を向かい合わせてボールをもつようにして、吸気で広げ、呼気でせばめる。   同時に全身の経絡を広げたり閉じたりする。
応用:全身の毛穴(気門)を開いて、全身で呼吸する。

17、運動呼吸法  (周天)
  丹田に気を集め、背骨に沿って上昇。体の前を下降丹田に返す。詳細省略。

18、集散呼吸法 
  吸気時横隔膜を肛門付近まで、下げるようにする。呼気で丹田の気を全身に巡らせる。
19、降気呼吸法
(1)、降龍気
 吸気で頭頂(泥丸)から、臍の位置背中側にある命門まで、呼気で両足のうら湧泉穴ま で。
(2)、伏虎気
 吸気で頭頂から、丹田まで、呼気で丹田から両手の先と足のうら湧泉穴まで4方向に流 す。
(3)、洗髄気
 吸気頂から、尾底骨(びろう)まで脊髄を通し、呼気で両足のうら湧泉穴まで流す。
(4)、固本気
 吸気で頭頂から、食道、胃腸を通し、会陰まで。呼気で丹田まで気を流す。
 呼吸の調節作用 自立神経、ホルモンを調節、大脳、神経を休める・
 呼吸の内臓按摩作用 横隔膜の上下、筋肉の運動による。
 道家を中心にした呼吸法 「道家気功宝典」による分類

 呼吸について
 文字通り、吐いてから吸います。
 自然の状態から、腹をへっこませるようにして吐き切ることにより、体内の汚れた気を出すことができる。
 呼気は拡散し、広がる傾向にあるので陽、吸気は集中し、中心に向かう傾向があるので陰に属する。
 呼吸は、鎖骨、肋骨、背骨、そのまわりの筋肉によっても行われ、肺の下にある横隔膜が鍵を握っている。横隔膜は、意識しにくいものですが、胃に接していて、意識的に動かすことによって内臓のマッサージ効果が生まれます。
 そして、心臓を助けることにもなります。坂道や階段で、小刻みに激しい息をするとき、横隔膜が上下して、心臓による血液循環を楽にします。