気功教室から

 
 気功は、毎日の積み重ねがものを言います。練功を堅持することは、困難もともないます。
 肩凝り、腰痛、不眠など、身体をゆるめることにこころがけるようにします。

 リラックスできない人、あるいは、リラックスすると気持ちがいいという人が多く、気持ち良くリラックスできる2時間を心掛けます。話もはずみますので、2時間があっという間で、たいがいは時間が足りなくて困ります。
 私が上海で習ったのは、いろいろでした。
 一人一人、体の状態や、体力が違うので、あまりきっちりとは「教えない」のが気功だと思います。笑いがとまらなくなったり、何がなんだかわからないけど、楽しかったというときが一番の幸せです。
 でも、よくしたもので、ちゃんと各人には、そなわったものがあるんですね。誰でも、それをみつけて、ちょっと伸ばしてあげれば、ちゃんと気功になって行くのです。それぞれに、自分の境地を切り開いて、いつのまにか先生になったりするわけです。
 もちろん、自分自身も体が調子よく、楽しくなければ話になりませんから、毎日調整しながら臨んでいます。2時間の間、他のことは一切忘れて、集中します。
 同じ気功を行っても、人によって、全然違った感じかたがあるし、場所や日時、メンバーによっても変わってきます。やってみなければわからない面も多いのです。

 天候

 気功の注意のなかに、天候の悪い時は練功をしないように、というのがあります。練功自体は良いことなんだから、少しくらい障害があっても、練功した方が体のためになる、と考えるのが人情ですし、せっかく始めたのに、今日は雨でだめ、今日は風で駄目、ではいつするのかということになります。気功教室は、定期的におこないますので、天候にかかわらずおこなうことになります。
 その日はやけに風がつよくて、窓を閉めていても風の動きが感じられる程でした。
 10人程で、前後にふるスワイショウを40分やったんです。中には足が熱い熱いという人もあり、手がびんびんするという人もありました。
 私は、あとで喉がいたくなって、風邪をひいたようになって、神経痛の足もしびれが出ました。ぐったりという感じでしたが、それにめげず、次の日もやって、ふき飛ばそうとしました。結局風邪はひきませんでしたが、のどの痛みは2、3日続きました。
 明らかに強風の影響でした。
 1週間後、皆に聞いてみると、歯のつめてあるところが浮いて、はれぼったくなって大変だったという人もいたし、気感が急に強くなって、回りの人に気をあげたいほど気がたかまって、4日間止まらなかったという人がありました。

 ではどういう天候の時がいいのでしょうか。

 中国は、気候が割合安定していますが、島国日本は不安定です。季節の変化がはっきりしています。春には、春らしい天気、夏には、夏らしい天気、というように、その季節に特有のよさがあるわけで、そういう季節のよさが現れているときに、その季節にあった功法をやるのがいいのです。
 春は、陽の始まり、芽生え、誕生。夏は、成長。秋は、陰の始まり、収穫。冬は、貯蔵。
 春を例にとると、東に向かい、太陽のような陽気を徐々に取り入れて行くような功法が気もちがいいです。体を伸ばし、上に伸び上がるような功法です。
 気が弱々しければ、多く吸い込むようにして、下腹にためるようにします。
 気が鬱積しているようなら、吐く息を意識しながら、気を下方向に流すようにします。 自律神経失調とか、のりものによわいとか、腰痛があるとか、太りすぎだとか、悩みはいろいろですが、まずは気を下げる功法が快適だと思います。

 木の下は気持ちが良い

 天気がいい日は、自然があるところに行き、木の下に立って見ます。手じかなところでは、樹木のある公園でもよいでしょう。近くに新しい公園ですが、木は太いものが移植されているところがあります。上結構地面が傾いていて、滑るし、やりにくくて、集中しにくいのですが、軽く体を動かしているうちに次第に馴染んできました。スワイショウをやります。
 木洩れ日が気持ちよく、目をつぶっているときらきらします。20分くらいで収功して、今度はたんとう功を20分しました。
 木陰の涼しい風が何とも気持ちがよいのです。
 目を閉じて、たんとう功をしていると、目の前に上が赤色、下が黒色の光の帯びが見えて、次第に全体が赤からオレンジ色になったという人がありました。
 また、ある人は、「たんとう功で立っているとき、近くに黄色い着物の人が、じっとこちらを見ているのが見えるんですけど」と、言いました。それを聞いて、「この公園は古戦場の跡地だって聞きましたけど、そのせいじゃないですか」かと言う人もいます。私は、「何も怖くなかったら、気にしなくていいですよ。見える人にはいくらでも見えるんですから、楽しんだらいいじゃないですか」と言いました。
 着物の人物がみえた人は、古戦場の跡地という話を聞いてから、トイレに塩をおいたりして、自宅も清めることにしたと言います。どうしたらいいんでしょうか、と聞かれたので、よいと思われることは何でもしてもいいですが、とりあったり、拝んだりはしないことです。と言っておきました。
 現代の中国気功の場合は、霊と気については、別々に考えて、タッチしないという立場です。私は、自分の中にもともと、霊については敏感な要素を持っているので、すぐ触れてきそうな感じがあります。しかし、今のところは、やはり、ノータッチ、追及しないことにしています。

 座り方

 中国語で”床”といえば、ベットのことで、床は”地板”と言います。畳はありません。中国では、いすとテーブルですから、正座の習慣はないのです。
 畳っていいですね。でも、若い人は正座はできないので、横座りになります。
 そういう私も、正座ができるまでに何年もかかっています。一人だけ、若いのに、きっちり座れる人がいました。両足をふとももに乗せられるし、真向法のポーズも、いとも簡単です。努力してできるようになったのだそうです。

 

 気の感じ方

 私の気の見方は、相手の体に気をあてて、、戻って来る感覚を、自身の感覚と同化して感じる、という方法です。相手に問題があれば、瞬間的に、頭が重く感じたり、つぼや、身体のある部分がちくっと痛く感じたりします。
 相手の合掌している手に、こちらの左の手を近付けて、気をうけると、問題のある部分がこちらの体に異常感覚として伝わります。
 人によって、異なる感覚が伝わってきます。性格とか、精神状態などが伝わることもあります。
 鋭く尖った感じ、とか、包みこまれるような暖かさ、とか、すし職人のような場合は、指先を集中させる仕事である特有の感じ、とか。それ以外に、情感というようなものも伝わります。
 練功中に手を近付けると、頭部や腹部に重苦しさとか、冷えとか熱とか、びりっとくる感じとか、いろいろな感覚がありますが、重要視しているのは、頭の状態です。「入静」(気功状態)の度合いと関連があると思います。ぼおうっと、うっとりするような感覚ですね。
 両耳の上あたりがきりきりとする感覚とか、頭のどこかがきゅっとしめつけられるような痛いような場合は、まだ緊張があって、気が頭に上がり気味ということです。熱っぽい感じもそうですが、気を意識的に下げ、出します。
 そういうときは、まず、息を吸う時、正面から吸ってきて、吐くときお腹に向ける、外から入って来る気を丹田に沈めるような感じで、同時に背骨をゆるめるようにします。まだ、頭がつっぱっている感じが伝わってきたら、それがなくなるまで、呼吸の仕方や意念の仕方を注意します。ときによっては、その部分に、手で気を送ったり、軽く叩いたりします。自分の体験で得た、「気功の状態」に相手が近づくようにリードしようとするわけです。しかし、そう簡単にいくものではありません。じっくり時間をかけてやっていきます。
 自分自身に、体の異常感覚があるときはやりません。また、強い感覚をうけると、残像のように残って、誰のものかわからなくなってくることもあります。
 そのときの自分の状態に左右されやすいので、慎重に扱っています。もちろん、目、耳から受ける感覚も入ってきますから、そういう感覚も加わっています。
 こちらの気を、呼吸に合わせて相手に送り、同調させるようにすると、人によっては、自発動が起こってきます。
 また、気の感覚は、敏感度の問題で、資質がものを言います。しかし、どんな方法であれ、確実に蓄積されてきます。敏感だからといって、進歩が早いとは限りません。敏感すぎると、副作用におちいりやすいという面もあります。
 いずれにしても、動功を組み合わせて、意念の過度の集中をさけ、収功を確実に行います。

気の匂い

 一緒に気功を練習した人で、、オーラが見える、気の匂いがわかると言う人がいました。例えば、電車のなかで、ある手術をした女性がいて、特有のすごい匂いがしたので、耐えられなくて逃げてしまった、においによって、人の運命とか、病気もわかる、といっていました。
 たしかに、練功中には、他の人の匂いを敏感に感じます。自分の匂いも、つよく感じます。実際、練功によって、鼻粘膜の毛細血管の流れが良くなって、臭覚が敏感になるのです。
 又、明らかに、練功中のときだけ感じる匂いがありました。気の匂いといわれるものでしょう。
 「気功特殊診病法」の中で、匂いと気との関係について、書かれているのですが、蓮の花の匂い、びゃくだん、麝香、松柏、各種花の匂い、という表現です。
 中国医学では、肝臓になにか疾患があれば、かぶらくさい。心臓は、こげくさい。脾臓、香ばしい。肺、なまぐさい。腎臓、腐れぐさい。など、5つの匂いをあげています。
 ”香功”は、集団で練功中に、びゃくだんの香りや、特有のいい香りが漂ってくるので、そう名ずけられた、というのですが、気功中に匂いがでる、というのは他の気功でもよく言われます。 また、線香をたきながら、練功するのも落ち着きます。

 以前と比べると、気功をはじめて、自分でもおどろくほど、においに敏感になっています。気功をはじめてから、数年間、一度もかぜとか、腹痛などはありませんでした。鼻がつまることもありませんでした。気功を手がける前は、鼻が通っていなかったのだろうと思います。毎日いろいろな線香をたいて、匂いを覚えるようにしたころもありますが、初めの頃はなかなか感じなかったのが、今は、ほんの少しで嗅ぎ分けられるようになってきました。排気ガスとか、悪い空気に敏感にもなりました。
 目の方もどんどんよくなっています。気が消耗すると、目に、しょぼしょぼするような感じがあります。気が充実すると、また調子がもどりますが、一種のバロメーターになります。

閑話休題 十五夜

 月餅が十五夜と関係があるとは、中国でその日を迎えるまで気がつきませんでした。十五夜がちかづくと、一斉に、月餅を売る露店が並びます。人気のある銘柄は飛ぶように売れます。中身は、胡麻、くるみ、椰子、松の実、などで、配合を変えて何十種もあります。
 ちょうど、十五夜の日に、華山に登って月を見ました。ポケットに月餅をいれて、食べながら登りました。
 七夕、端午の節句なども、道教と関係があるのですが、中国では、もうほとんど忘れられています。でも、月餅は、バレンタインのチョコレートのように、根強い人気があります。日本ではクリスマスにつきもののケーキが、上海では、新年の挨拶まわりに配るため、年末には町中にあふれます。食べ物の習慣は、なかなか変わらないのかも知れません。

 9月の功法

1 基本の立ち方で立って、まぶたは閉じても目はとじず、背骨を見ます。腰を起点に前 後、左右、左回転、右回転と順に動かしていきます。背骨がくねくねと動いています。 休んで、深呼吸数回、力を抜いてリラックス。


2 1と同じ動作を、腰からの動きが両手までつたわるようにします。首も自然に揺れます。

3 両肩を交互に下げながら前に出し、耳に肩を近付けるようにして後ろに上げます。同時に、両手はおなかをこすります。

4 両手を腰にあて、へそを中心に腰を回転させる。


5 自然呼吸で息を吸いながら、背骨、首を伸ばし、吐きながらちぢめます。


6 体がゆるんできたところで、たんとうこう。 
 自然に立って、背骨を伸ばし、自由な手の形で。手のひらを下に向けたり、向かい合わせたり、下に向けて、水中のボールを押さえたり、うごかしたりします。


7 呼吸は、正面から息を吸って、下腹に向けて息を吐き、同時に足の裏まで、体重を落として行きます。


8 大きく動作が変わるときは、収功動作をいれます。


9 十五夜の月のエネルギーをイメージ。イメージする月の高さは、高いと、気も上がりますから、低い位置に想像します。額の前あたりに、月をイメージ。両手を、左右から、手のひらを上にして上げて、月をつかみ、しばし止め、息を吐きながら腰の前に下ろします。2、 3回繰り返して休みます。気持ちがいい程度に、何回か繰り返し、最後は収功の動作をします。

10 座って、足の指をにぎって、ひっぱりながら回します。足のつぼを押さえます。
11 座るか、寝て、深呼吸療法、または、放松功を行います。最後に、丹念に収功の動作。

12 収功動作。息を吸いながら、両手を、手のひらを上に、腰から肩のたかさまで上げ、吐きながら下腹まで、手のひらを返して下げます。両手を重ねて、おなかをこすります。右まわり、左まわりを21回づつ。両手をこすり合わせて、熱くなったところで、顔をこすります。てのひらやこぶしで、上から下に体中をよく叩く。
 以上を1時間30分かけて行います。
 基本の姿勢をしっかりおぼえたら、あとは、自由な形に動きながらやりますが、だいたい基本の形に落ち着きます。

 気功と音 

 音楽療法は、中国で古代からあります。
 音と気功との関連も、興味深いと思います。
 気功中の音は、呼吸の音、心臓の音、おなかのなる音、時計の音、自然の発する鳥の鳴き声などでしょうか。
 確かに、普段は気が付かない、自然の発する声が、はっきりと聞こえてきます。五臓六腑に、自分で発する声を聞かせることで調整する方法もあり、”六字訣”に活かされていますが、確かに関連があるように感じられます。
 相手の病気などの情報が、音として聞こえる場合もあります。
 いずれにしろ、聴覚を含め、気功によって五感はきわめて敏感になることがわかっています。

 気功練功中は、となりの人の荒い息の音や、せきこみによって、入静をさまたげられることもあるので、環境音楽をある程度のボリュームでかけて行います。環境音楽の中では、宮下冨美男さんのシリーズが気に入っています。

 気が見える

 山田さんは、障害者の作業所の職員をしている。クッキーを焼いて販売するのが作業所の仕事である。以前、作業所のレクレーションで富士山周辺に一緒に行って、水晶の気や富士の場の気を感じたりしたことがあったのです。いつのまにか、気功を気にいってN式の気功治療に通っていました。
「あの時は、全然そんなことは感じなかったのにね。今はすごいのよ、手から気が出るのが見えるし、手をこねると気の玉ができるようになったの。」その人は、ケーキを作る仕事をしていますので、こねるのは上手です。
「黒っぽいところをバックにしてすかしてみると、指先から白い糸みたいのが、ちょろちょろって見えたのよね。それが気なんですってね。」とうれしそうに言った。
「今はでてないわよ。朝5時から、植木鉢に向かってやってんの。」気の感じが出始めると、やる気も出てくるんですね。
「始めは、なんにも感じなかったわよ。週2回ずつ通っていたら、いつのまにか。先生が前から、気を送るとね、ふわっと後ろに押されるの。」私が手を前にだすと、
「そう、これこれ,やっぱり気が出てるわね。」と目を輝かした。

 共振現象

こんなこともあった。

 たまたま訪ねた英会話教室で、若い女性の事務員に、体の調子を気功で見てとせまがれて気を送った。両手を前に出してもらって、手のひらをちかづけると
「なにこれ、どうしたのかしら。」彼女の左手が、振え出してとまらなくなってしまった。
 私の体は、胃から空気が上がるような違和感を感じたので、あわてて洗面所に入って、すぐ水道の水で清めた。胃と、喉の異常を指摘すると、
「だれにも言ってなかったんですけど、病院で胃にポリープがあるって言われているんです。」彼女の胃に問題があるという意識に反応したのか、胃から発するなにかに反応したのか、全く偶然なのか確かめようがないが、このように感じた場合はほとんど当たっているのである。「それから、のどのあたりに」「ええ、喉も調子が悪いんです。これも誰にも言ってなかったんですけど、不思議ですね。」と言って、皆が驚いた。
 手の震えを止めようと、私が手に握っていると、右手もががくがくし始めた。このように気に対して敏感な人は反応があります。

 また、20年ぶりかで会った、大学時代の女性の友達に、手をかざしたところ、本人は何も感じなかったが、私の方は首筋から頭にかけてきゅっと違和感がきた。10分もしないうちに、それまでなんともなかった私の首が痛くなって、なかなか痛みが取れなかった。

 後で聞いて見ると、朝など決まって肩のあたりが痛いという。そういえば、あの後はやけに軽くなったと言うのである。

 身体のあちこちに痛みがあるというので、深呼吸療法をすすめた人の話しです。気功をやるようになったら用もないのに、彼女の事務所にひんぱんに訪ねて来るようになった人がいる。その人が来ると、決まって肩、首、足などが痛くなる。その人はふとっていて、薬を放せない人で、顔色が悪い。ひとしきりいると、楽になったと言って帰るというのです。

便秘ぎみの人にお勧めの方法を一つ。

 4つの組み合わせです。
1、背骨を伸ばす。
2、骨盤を上げる。左右交替、前後交替に引き上げるても良い。
3、大便をするように、気張る。痔のけがある場合は肛門を閉めながら。
4、おなかを引き締める。
 これが気功なのかと思うのですが、明の時代から伝わる座法の一つ。
 注意は、食事のあとは避ける。

実用気功外気療法より、膝の打撲症に、白鶴転膝功
 両足をくっつけて、両膝を軽く曲げ、膝と足先が垂直になるようにして、ひとさし指と中指を膝眼にあて、手のひらで膝をつかむ。左右10回ずつ、ゆっくりと呼吸に合わせて丹田に気を沈めて行う。

 10月の功法 
 
 準備と動功部分   背骨、肩首、腰をよくほぐします。
1、肩幅に足を開いて、膝を軽く曲げ、腰を落として力を抜きます。まず、力まずに初め は軽く、右の肩を前に出しながら下げ、左の肩を左の耳にちかずけるように上げます。 続いて左肩を前に出しながら下げ、同時に右の肩を右の耳にちかずけるように上げます。 手は手のひらでおなかを摩擦します。次第に動作を大きくしていきます。36回以上繰 り返し、ます。
2、左足を前に出し、体重を右足に乗せて、腰を下げます。両手を前後に伸ばし、てのひ らを自分に向けて近付ける。手のひらを返して両手を同時に下へおろし、左右の手を交 替して前後に伸ばし、てのひらを自分に向けて近付ける。腰を左右に回転させその力で 腕をふるようにして行う。36回以上。左右の足を交替して36回以上。背骨をゆるめ るようにこころがける。
3、両手を腰にあてへそを中心にして腰を回す。
4、スワイショウをじっくりやる。
 ゆっくり止まって、腕は垂らし、手のひらを前方に向ける。

 静功部分

 太陽、光に向かって立つ。肩幅に足を開いて、膝を軽く曲げ、腰を落として力を抜きます。まぶたを閉じて、目はとじずに内視。
 自然呼吸で、自然呼吸は無意識でおこなっている呼吸をそのまま意識することです。背骨を伸ばします。体中の細胞を上に広げます。今度は骨盤を引き上げます。大便をするように気張ってから、おなかをちじめます。5回ほど繰り返しておなかを掃除します。
 少し休みます。霧のように漂っている気を正面から吸って、息を吐きながらおなかにしまいます。呼吸を整えるように繰り返します。10回くらい。
 まぶたをうっすらとあけます。光を目に感じたら、それを頭の中に導き頭の中を光で一杯にします。その光をのどから胸にゆっくり下ろします。肺を見ます。肺は白から金色に輝き、体の中を霧のような気が流れ、光と一緒に、洗い流していきます。左側の心臓は脈動しながら曇った赤からて輝く赤に変わって行きます。くすんでいた内臓がひとつひとつ光に洗われて、輝いてきます。
 息を吸う度に輝きも増してきます。息を吐くとき、洗い流した汚れた空気は足の方へ落ちていくのが見えます。右側の肝臓は紫色から青に更に透き通った宝石の色に変化してきます。細胞のひとつひとつがはっきり見えてきます。胃は中央で光の中心で黄色に光始めます。小腸はピンク色に大腸は白く透明になってきます。
 腎臓は石炭のような色から、黒真珠のように、霧に濡れながら洗われて光出します。そして静かに静かに、光は足の方へ降りて、地面に帰って行きます。
 
収功

 息を吸いながら手のひらを上にして上げ、吐きながらてのひらを下にして下げます。3回。おなかを押さえてまわします。手のひらをこすって熱くなったところで顔をこすります。

 始めてこれをやった人で、目の前に紫いろの光が出てきたと言っていました。紫色は悪いのではないかと本人は心配していましたが、視力が格段に回復しておどろいていました。 動きのあるものと、動きのないものを組み合わせるのがいいです。別の系統のものを続けて練習する場合は収功をやってから、次のものに変わります。収功は治療の邪気排出のようなものです。功法が混じると良くありません。
 気持ちがいいというのが目安です。