上海気功研究所

上海市气功研究所医療問診部

   坐骨神経痛で寝たきり状態になったとき、いろいろな治療を受けても治らずついに中国気功までたどりついたというのが私が気功をはじめた理由です。それだけではなく、増富ラジウム温泉や玉川温泉で出会った人々が一生懸命病気と向き合っている姿に感動して、病気の人を治療できる技術を身につけたいと願ったことも向学心に燃えた理由でした。

(写真 上海気功研究所で気功治療を体験 1992年)

上海に留学して気功を学んでいるうちに、その奥の深さに驚き、学べば学ぶほど興味がわいてくるのでした。

玉川温泉で温浴療法で神経痛は完治できなくても、田虫が治ったり、何よりも人生勉強ができたように、気功もただ神経痛に効くだけではなく、人生の指針になるにふさわしい古代からの知恵を学ぶことができました。そろそろ成人病の心配もする年頃になりましたが、気功のおかげでいたって健康なのです。

応援していただいた皆様に感謝するとともに、学ばせていただいた神経痛にもありがたいと思わずにはいられないのです。病気はたくさんのことをことを与えてくれた。そう考えることができて初めて病気を克服することができたのです。

それから10数年、気功のおかげで完全に神経痛は治って、今度は本当に世話になったみなさんに恩返しをする時期になりました。

そうはいっても、当初の意気込みのように、中国の聖なる山で修行して、病気を治す能力を授かるというようにはいきませんでした。自分の神経痛も自分で気功を練習するなかで治ったのでした。

自分の気が充実してくればその気がきっかけとなって呼び水のように、相手の気も活性化させることができます。そのようにして助けとなるのですが、やはり、本人の気の鍛錬が必要です。

今まで学んできたことを皆様に紹介して健康増進の一助となれば幸いです。

photo  上海気功研究所での気功練習風景   1993


気功というものに対してみなさんはどういうイメージをもっていますか。


 実は、気功にはとても多くの流派、功法がありそれぞれ異なった内容があって、簡単には説明しにくいものなのです。これから始めるお話も、気功のほんの一部と考えて聞いていただければと思います。
 私は、上海に留学して、中国医学全般を学びました。私自身がひどい座骨神経痛になやまされて、治療をかねて留学したので、おのずから医療気功に関心がありました。
 そういうわけで、これから医療気功を中心に話を進めていきたいと思います。
 中国の病院へ行きますと、西洋医学系統の外科や内科のほかに、中国医学系統の中医内科や中医外科があります。中国医学専門の病院もあります。双方のいいところをとりいれて結合させた、総合医療を実践している病院も多いのです。中国医学には、漢方薬、鍼灸、推拿(按摩 マッサージ)そして気功があります。

 気功は推拿治療と並行して行われることが多く、私が臨床授業を受けた上海の虹口区の公立病院でも、推拿科で気功治療を行っていました。
 中国医学専門の医院では、気功科が常設されていました。気功は、健康法、あるいは体操という面もありますが、中国では、医療という面が大きいのです。
 では、気功治療というのは具体的にどのようにやっているのでしょうか。
 外気治療という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。気功師が、患者に向けて気を発して治療する、というものです。中国では、一般に外気治療はあくまで補助的に行なうだけで、主に自分にあった功法を自分で行なっていくのです。
 ここでは、いろいろな功法をご紹介していきます。
その中から、できそうなものを選んで、毎日習慣のようにして続けて行ってみてください。
それから、気功は療法ですから、気功を実践するとともに、日常の生活や食事にも注意しましょう。

食生活と気功

  医食同源といわれるように中国医学では食をとても大事にしています。未病を治す、発病してしまってからでは遅いとも言っています。欧米ではサプリメントが流行しています。養補助食品といった内容です。カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネナル、ビタミン類のほか自然の植物から抽出して作ったものが多いです。

 錠剤やカプセルになっていて、食事と一緒に服用したり、空腹時に服用したりします。

 たとえば、男性用としてはのこぎりやし(ソウパルメット)は、前立腺肥大の予防と治療効果が認められています。ハワイで原住民が万能薬として伝えてきたノニは、最近人気が出ています。中国の漢方薬では、乾燥したものを煎じて服用するのが普通ですが、錠剤やカプセルも出回っています。

 しかし、錠剤やカプセルに頼るよりも自然のままのものを調理して食するのがベストです。

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